
前回から少し時期は空きましたが、今回は財務シリーズ第2回「財務の基本!財務三表とそれぞれの役割編」を書いていきたいと思います。
「財務って何?会計、経理と何が違うの?」
↓というかたはまずこちらをご覧ください↓
目次
財務三表とは?

財務三表とは企業の業績を表す、代表的な3つの計算書類
- 貸借対照表(B/S(バランスシート))
- 損益計算書(P/L(プロフィットアンドロスステートメント))
- キャッシュフロー計算書(C/F(キャッシュフローステートメント))
のことを指します。
よく財務の話をするときは、「ビーエス」や「ピーエル」といった呼び名が飛び交うので、覚えておくと会話に置いていかれることはないかと思います。
貸借対照表(B/S)とは?

何が書いてあるの?
B/Sには総資産の状況が記録されています。
もう少し噛み砕いて言うと、「どこからお金を集めて」「そのお金が今どうなっているのか」がB/Sを見ればわかります。
例えば、
①資本金10万で会社を立上げ
②100万円の借入を行い
③60万円のパソコンを買って、現金が50万円が余っている
場合であれば、

このようになります。
このようにどうやって出来ているかを見ると簡単に見えてきませんか?
どうやって読むの?
B/Sに関して意外と知らない方が多いのが「どこから読み始めるか」です。
ちなみに先程の例ではどこから動きがスタートしたか覚えていますか?
そう、右側なんです。
そのためB/Sを読む時は「お金のでどころ」である右側から読みます。

この基本的な読み方さえわかっていれば、あとは細かい項目に何が含まれるかを認識しておけば大体はわかるようになると思います。
財務としてB/Sを読む際に重要になってくるのは、勘定科目が合っている間違っているを知っているかではなく、会社は「どこからお金を調達していて」「そのお金を何に使っているか」になります。
損益計算書(P/L)とは?

何が書いてあるの?
P/Lには会計期間における会社の経営成績を表す計算書類です。
簡単に言うと「1年間の会社の通知表」です。
・どれくらい売上があって
・何にどれくらい経費を使ったか
・その結果どれくらいの利益残ったか
これらを把握するときにP/Lは必須になってきます。
どうやって読むの?
読み方はシンプルで、素直に上から読んでいって大丈夫です。
しかし、財務分析として読む際であれば以下の読み方は非常に重要になってきます。
・目標数値と比較して見る
・月ごとの推移に直して見る
・昨年、一昨年の数字と比較する
・同業他社の数字と比較する
・売上額を100%として、すべての数字を対売上比率として見る
これだけで、読む時の基準が出来ますので損益計算書を読むときは是非試してみてください。
キャッシュフロー計算書(C/F)とは?

なにが書いてあるの?
キャッシュフロー計算書には、キャッシュフローという名の通り「お金の流れ」が書いてあります。
ここで「損益計算書とは何が違うの?」と思われがちですが、実は「損益計算書には出てこないお金の支出」や「お金の出ていかない経費」などがあるからです。
例えば、「損益計算書には出てこないお金の支出」で言うと「借入金の返済」です。
借入金の返済は会計上「経費」ではありません。しかし、お金は会社から出ていっています。
また「お金の出ていかない経費」の代表でいうと、「減価償却費」です。
よく勘違いされるのが、「100万円利益が残ったから、100万円の車を買って節税しよう!」というような発想があるのですが、この車は「資産」となるため、買った瞬間には「経費」になりません。
しかし、車は走行距離や年月でどんどん価値が下がっていきますよね?
その価値落ちを毎年「経費」にするのが「減価償却費」です。
つまりこの「減価償却費」は、お金は出ていかないが経費になる項目なのです。
このように損益計算書は実際のお金の流れと異なるので、リアルなお金動きを把握するために「キャッシュフロー計算書」があります。
どうやって読むの?
キャッシュフロー計算書は、
- 営業活動によるキャッシュフロー
- 投資活動によるキャッシュフロー
- 財務活動によるキャッシュフロー
この3つのキャッシュフローに分けられます。
またそれぞれは
- 営業活動によるキャッシュフローは「事業におけるキャッシュフロー」
- 投資活動によるキャッシュフローは「固定資産への投資におけるキャッシュフロー」
- 財務活動によるキャッシュフローは「借入や返済、増資等におけるキャッシュフロー」
このような内容が記載されております。
キャッシュフロー計算書を読むときは、それぞれのキャッシュフローが「+」であるか「-」であるかを読むことになります。
まずは健全な状態のキャッシュフロー。

事業ので稼いだお金の中から、「投資」や「借入の返済」ができている状態です。
ちなみにキャッシュフロー計算書では「営業活動によるキャッシュフロー」から「投資活動によるキャッシュフロー」を引いた数値を「フリーキャッシュフロー」と呼び、この数値が大きいほど資金繰りに余裕があることになります。
続いて攻めている時のキャッシュフロー。

事業で稼ぎながらも、「追加で借入」を行い「投資」を行っている状態です。
事業規模を拡大している最中はこういったキャッシュフローになりやすいです。
最後にやばい状態のキャッシュフロー。

事業の中でお金が回らず、「資産を売却」したり「追加借入」を行ってなんとか立て直しを図っている状態です。
企業ではこの状態になると、「事業におけるキャッシュアウト」を見直すため、リストラ等のが行われることがあります。
このようにキャッシュフローを把握できていなければ、「黒字倒産」を引き起こす可能性があるのできをつけましょう。
まとめ
今回は財務シリーズ第2回「財務の基本!財務三表とそれぞれの役割編」を書いてみました!
少し難しい話も出てきたかもしれませんが、これが財務の基礎になるので自分の事業や会社に当てはめながら「自分ごと」にして考えてみてくださいね!
次回は「財務分析!具体的な分析指標編」を書いていきたいと思います。

では!
会社の財務はちゃんと見るけど、家計簿は一切つけない。
とびーです。